デッサンに必要な鉛筆の線の作り方を学びましょう。皆さんが描く線や曲線は鉛筆をナイフや鉛筆削りなどで削ることで現れる芯によって描くことが可能となります。

「芯」の形や長さなどによってもその線や描くことのできる描写が異なる感覚を体感として覚えていきましょう。鉛筆の芯を寝かせた時、立てた時などに生まれる線の描写の違いも感覚的に身に付けていきます。

皆さんがご自身の頭やフィーリングで感じ、被写体から受け取ったメッセージをご自身の手や腕の感触に伝えながら描きたいものを描きたいように描写していきます。

芯を動かすスピードによっても皆さんが描く線に力や質感が生れるはずです。鉛筆を素早く動かした時と、ゆっくり動かした時の描写の違いや、鉛筆の芯の硬度によって異なる鉛筆の1本1本の濃さなども体感通じて1つ1つを確実にコントロールしていきます。道具は無理して揃えるものではなく、自分が使っていて心地良いと思われるものを1つ1つ選んで揃えていくことが良いでしょう。

気に入った作品が1枚でも仕上がったら、額縁に入れて飾ってみると良いでしょう。自分が良いと思った作品を観察することも、デッサンを学ぶワンステップとなるはずです。

デッサンは、被写体をそっくりに単なるものまねができれば良い作品というワケではなく、皆さんさん自身が満足のいく作品であることが何よりも大切であると考えております。他人の作品と比較するのではなく、皆さんが考える渾身の1枚が仕上がりますよう。

自分に似合う風景と構図


水彩で風景画を描く時には、まず構図をうまくとらえることが作品をキレイに魅せるコツでもあります。額縁に景色を収めるように、皆さんが描きたいと思う風景に焦点を絞り込んで、目の前に広がるパノラマの風景からここぞと思える景色を切り取りましょう。

風景画は日の出から日没まで、太陽の位置によってその色彩や表情を変えるものですから、きちんと自分が描きたいと思う風景の時間帯なども計算しつつみつけだしていきます。

風景画に取り組みはじめたばかりの頃は、スマホやデジカメのファインダーを通した形で、描きたい風景を記録しておくと自宅に戻ってからの修正や描き加えなどがしやすいでしょう。またウィンドウショッピングなどで街中を散策する際に、描いてみたい風景をあらかじめみつけておくことで構図を探す訓練にもなるでしょう。

カメラのファインダーを額に見立てて、皆さんの描きたい風景をコレクションしてみてください。写真のうまい人の構図などを真似てみることも上達への近道ですが、オリジナリティを大切に自分に似合う風景をみつけることが大切です。

風景の中でどこに焦点を絞り作品んを見る人に何を伝えたいのかを、自分なりに分析してみることも大切です。絵の中心となる箇所を描写の中で強調することで、構図のシルエットが的を得てくるはずです。

皆さんもご友人のデッサンや水彩画を鑑賞する中で、なんだかぼんやりとした作品からはメッセージ的なものがまったく感じられないという事がありませんか。

作り手は常に受け手となる第三者からみた作品に適した構図をみつることが大切です。まずはこの景色を描きたい、この美しい風景を皆にも見せてあげたいという感覚を街中にみつけてみましょう。

リンゴは赤い?

皆さんは「リンゴ」は赤いというイメージがあるかもしれませんが、水彩画の中ではリンゴを被写体としてじっくりと観察することから始めましょう。リンゴを手に取りその表面を眺めてみると赤以外の色彩に気付くことができるのではないでしょうか。

リンゴは、赤いくだものですが、実際に手に取ってよく観察をしてみると「赤」だけではなく「黄色」「黄緑」「ベージュ」のような色合いが重なり合うように交わっているのです。

また被写体を置く場所によっても光の当たり具合とともに、その色合いの変化を観察してみましょう。

りんごを描写する際には、全体的に薄い緑色を塗ってから赤色を重ねていくとリアルなりんごを再現できるなどとも言われておりますが、うすい緑色を塗る部分は、リンゴの影となる部分を意識して塗り込んでいきましょう。赤の色を重ねることで濃い色合いが生れリンゴの立体感を表現することができます。リンゴの表面の光の反射を表現するには、紙の白を使ってみることが上級者のテクニックでもあるようです。

手元に手頃な額が用意できない場合は、紙の枠をお好きな色でか型どってみると額縁に入れられた作品のようにも見えますよ。手に入る道具を工夫することで、作品作りを自分なりに楽しんでみましょう。